ロケ地巡りという言葉のためにある映画 『時をかける少女』 [映画ロケ地紹介]
監督 谷口正晃
脚本 菅野友恵
出演 仲里依紗 中尾明慶 安田成美
この作品の場合、内容を説明する必要は無いのではないでしょうか。
1972年にNHKでドラマが放送されてから今で、この作品を含めて、ドラマ化が3度、実写映画化が3度、アニメ映画としても作られている名作中の名作。
特に、1983年に原田知世主演で映画化されたときは、監督大林宣彦 の 『尾道三部作』の第一作として、現在のロケーションツーリズムの先駆けとなったともいえるほどに『ロケ地巡り』がされた作品。
その流れを受けて、今作の前にアニメ化された『時をかける少女』も、やはりロケ地が大変話題となりました。
この作品も、その流れはしっかりと踏襲していて、冒頭の桜並木から主人公の暮らす家、タイムスリップした先のアパートと、どこも印象的なたたずまいのところばかりです。
まず、主人公あかりの家から見て行ましょう。
ここは、国分寺市にある一戸建ての住宅で、ロケ用の物件として他の作品でもよく使われているところ。
次に印象的な建物として出てくるのが、タイムスリップした先で出会う涼太の住むアパート『朋風荘』。
実は、こちらも所沢にあるロケ用の建物らしく、周りに同じような建物が並ぶスタジオのような作りになっているそうです。
そして、涼太とともに謎の少年『深町』を探しに訪れる駄菓子屋さん。
こちらは、葛飾区に実在する駄菓子屋さんで、こちらもやはり多くの作品で使われているという、特徴的なお店です。
あと印象に残るのは、やはり70年代を代表する場所『銭湯』。
若い方には『神田川』といってもピンと来ないでしょが、40代後半以上の方にとっては、70年代に神田川といって連想するのが銭湯。
この作品でも、風呂なしアパートに住む涼太と銭湯に行くことになりますが、ここで登場するお風呂屋さんは、東京都文京区にある『月の湯』。
実は実は、このお風呂屋さんも他の作品で使われたことのある場所で、二人が食事をする『昭和感満点』の食堂は、JR両国駅近くの『下総屋食堂』で、もちろんこちらもロケ地の常連。
つまり今回の作品は、東京近郊の有名ロケ地がタッグを組んだような作品で、こうでもしないと、尾道という『ロケ地巡りの元祖』のような場所で撮られた原田知世の『時をかける少女』に対抗できなかったのかもしれませんね。
そして、この作品のロケ地がどれだけ印象的だったかということを示しているのが、ネットを検索するとほとんどのロケ地にファンの方が行っているという事実。
1974年の渋谷の地下街は、JR桜木町駅にある『ぴおシティ』ですし、1974年の『世田谷西中学校』は、埼玉県の『本庄西中学校』。
タイムスリップして慌てて走り回る商店街は、富士急行『下吉田駅』にある『ほんちょう2丁目商店街』と東京の『東池袋商店街』。
オープニングの池は、目黒区の『洗足池』。
ともかく、今まで100本以上のロケ地紹介を書いてきましたが、ロケ地が広いにもかかわらず、これほどロケ地がわかった作品は他にありません。
まさにこれが『時をかける少女』なのかもしれません。
そうそう、一番重要なロケ地を忘れていました。
オープニングとラストシーンとで、大変印象的なシーンを演出してくれる桜並木。
ここは、福島県郡山市にある『開成山公園』の桜並木。
ラベンダーが重要な役割を担う作品で、一番印象に残るのが『桜』というのも、それだけロケ地が印象的な作品だからでしょうか。
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