絶望的なラストを彩るロケ地が鮮烈な作品 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 [映画ロケ地紹介]
監督 大森立嗣
出演 松田翔太 高良健吾 安藤サクラ
先の見えない人生を歩く若者3人の逃避行を描いたロードムービー。
内容から、ロケ地で作品のワンシーンを思い出したり、街角に主人公の面影を見つけたりということは難しい作品ですし、あまりロケ地を重視した撮影も行われていません。
スタートは川口駅近くの高架下から始まりますが、北へ北へと向かう道のりも、どこかあっさりしたもの。
この作品で一番ロケ地が印象的なのは、クライマックスの絶望的なシーンで登場する野付半島の荒涼とした風景ではないでしょうか。
枯れた木の林は『ナラワラ』と呼ばれているそうで、この野付半島には、トドマツの森が海水に侵食され立ち枯れた『トドワラ』とミズナラの森が立ち枯れた『ナラワラ』とがあるそうですが、この『立ち枯れた』風景は、まさにこの作品のラストにピッタリです。
根室振興局 ロケ地ガイド
ちなみに、監督の大森立嗣は、俳優の大森南朋のお兄さんです。
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サスペンスでありながら、意外と観光地でロケしてます 『MW/ムウ』 [映画ロケ地紹介]
監督 岩本仁志
脚本 大石哲也
出演 玉木宏 山田孝之
手塚治虫の漫画を原作としながらも、設定と主人公以外は映画オリジナルのストーリーで描かれた作品。
オープニングからクライムサスペンス調のアクションで始まりますが、いきなりタイでのロケのシーンが30分続き、チョッとあわててしまいましたが、このシーン以降は全編日本でのロケとなります。
ロケ地として印象的なのは、主人公の務める会社がある設定の丸の内界隈で、丸の内OAZO(オアゾ)の1階にある丸善書店がいきなり映りますし、あの産経ビルにある赤色リボンなども、ドラマの撮影で有名ですね。
教会は『撮影協力』でも2番目に名前が出てきますが『館林カトリック教会』。
渋谷の宮下公園近辺でもロケが行われていますが、それほど印象的なシーンではないですね。
※『銀行業界の隠語』がでてくるあのシーンです。
堤監督にはめずらしく、ロケ地が印象的な作品 『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』 [映画ロケ地紹介]
博物館の前で腕立て伏せをするのはやめましょう 『クヒオ大佐』 [映画ロケ地紹介]
監督 吉田大八
出演 堺雅人 松雪泰子 満島ひかり 中村優子
実在の結婚詐欺師『ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐』を描いた吉田和正の小説を映画化。
ワイドショーでも有名な詐欺師ですからご存知の方も多いと思いますが、基本は結婚詐欺の映画です。
ロケは、千葉の市川と伊豆下田などで行われていますが、印象に残るのは、やはり松雪泰子との密会場所となる旅館と、堺雅人のかわいいお尻が映る、満島ひかりとのベッドシーン(?)で使われたホテル。
旅館の方は、箱根にある『強羅環翠楼』の離れ『錦華亭』で、なかなかに趣のある旅館ですよね。
ホテルは、伊豆下田にある下田東急ホテル。
特に強羅環翠楼さんは、公式ブログでロケのことを書かれていますが、そのブログではほかのお部屋を見ることもできますから、もし『錦華亭』が予約で埋まっていても、同じような眺めや雰囲気のお部屋を探すことができます。
この作品で、もう一箇所メインとなるロケ地が博物館。
こちらは、千葉の市川市にある『市立市川考古博物館』。
同じ敷地に『歴史博物館』があるのでお間違えの無いように。
市川市ロケでは、『市川市動植物園』でも撮影が行われていますから、市川へのお出かけは、ロケ地巡りでは『博物館めぐり』になってしまいますね。
ただし、車でないと移動できないのでご注意を。
東京失恋散歩? 『ハチミツとクローバー』 [映画ロケ地紹介]
監督 高田雅博
脚本 河原雅彦・高田雅博
出演 櫻井翔 蒼井優 伊勢谷友介 加瀬亮 関めぐみ 堺雅人
羽海野チカのマンガを映画化。
美大に通う5人の男女の、切ない片思いを描いた作品です。
ストーリーとロケ地がこれだけシンクロしている映画はめったにないと思える程に、各シーンが印象的な映画なのですが、同時に、それは原作とはだいぶイメージが離れてしまうという逆効果もあったようで、作品とロケ地巡りの葛藤を表した作品ともいえます。
のっけから、昭和風一軒家が登場しますが、こちらは場所がわかりませんでした。
クソッ!
気を取り直して探したのが、学生寮となる建物。
これは、その形からお分かりになった方もいるのではと思いますが同潤会(どうじゅんかい)アパートです。
大正時代末期に建てられた、大正浪漫を体現する建物は、東京・横浜の各地に建設され、その取り壊しに対しては保存運動も起こったほどの名建築。
特に有名な表参道の同潤会アパートは、表参道ヒルズになるときに、安藤忠雄氏の設計で外観が忠実に再現されているほどです。
この作品で使われたのは三ノ輪の同潤会アパートで、2009年に取り壊されており、現在同潤会アパートで残っているのは上野だけ。
しかし、上野も来年(2013年)には取り壊されますから、見に行きたい方はお急ぎを。
ロケ地巡りのマナーにびっくり 『誰かが私にキスをした』 [映画ロケ地紹介]
監督 ハンス・カノーザ
脚本 ガブリエル・ゼヴィン
出演 堀北真希 松山ケンイチ 手越祐也
事故で4年間の記憶を失ってしまった少女が、それにより新しい自分や恋を見つけるというお話。
外国の監督が日本で撮影して、日本観光映画になってしまうのも困りますが、場所にこだわらないのも、やはり困りもの。
日本でのロケは、学校は調布にある『ASIJ(アメリカン・スクール・イン・ジャパン )』とロケ地の定番『日本工学院八王子キャンパス』。
それ以外では、目黒区の『AS CLASSICS DINER』というレストランが使われているのですが、日本でのロケで印象的なのはこの程度。
あとはロスでの撮影で、気軽にロケ地巡りに行くことができないという、何とも残念な作品となっています。
ただ、ロケ地情報を検索していておもしろいものを発見しました。
それは、ロケで使われた目黒区の『AS CLASSICS DINER』のブログに、「ファンのロケ地巡りに対する驚き」が書かれていたこと。
なんと、ロケ地巡りに来たテゴマスファンの女の子が、目的の席があくまで、じっと待っていたそうです。
ジャニーズファンのロケ地情報の収集力にはいつも驚かされるのですが、ロケ地でのマナーの良さにも頭が下がります。
夜と昼、路地と山中。 対比された映像が印象的な作品 『同じ月を見ている』 [映画ロケ地紹介]
監督 深作健太
脚本 森淳一
出演 窪塚洋介 エディソン・チャ 黒木メイサ
土田世紀の同名マンガの映画化。
成長することで離れていった幼なじみ3人の心が、ある事件をきっかけに再び触れ合ってゆくヒューマンドラマですが、ただし、決して明るい作品ではありません。
オープニングから、自然豊かなシーンの連続ですが、全編を通して映る自然は、それぞれにロケ場所が違います。
幼いころの3人が暮らす田んぼや森がある風景は、長野県諏訪郡で撮影され、秘密基地やこの物語の発端となる別荘の火事などは、埼玉本庄市での撮影。
そして、ラストの山での捜索や火事のシーンは山梨県の河口湖で撮影されています。
最初の広々とした田んぼの風景に対して、ラストの森の中での捜索や火事のシーンは、主人公達の心の変化をよく表していて、ロケがとても生きているのではないでしょうか。
特に、ラストの河口湖ロケは、オール夜間撮影だったそうで、苦労の報われる映像になっていますね。
ロケ地は多彩な 『アキハバラ@DEEP』 [映画ロケ地紹介]
脚本 - 源孝志 成田はじめ
監督 - 源孝志
出演 成宮寛貴 忍成修吾 荒川良々 山田優 三浦春馬 佐々木蔵之介 萩原聖人 寺島しのぶ
石田衣良の長編小説の映画化で、秋葉原に集う5人のオタクたちが、夢の実現のため巨大企業と戦うという青春ストーリー。
石田衣良といえば、『池袋ウエストゲートパーク』や『下北サンデーズ』など、東京の地名を冠した作品がたくさんありますが、今回の舞台は秋葉原。
オープニングから、深夜のJR秋葉原駅が登場してロケ地への期待も高まりますが、次に映るイベント会場は『茨城県庁』。
以降も、巨大な敵『デジキャピ』の本社はお台場の『科学未来館』や『東京国際フォーラム』が使用され、パーティーのシーンでは千葉市美術館ほかさや堂ホールという、これまた秋葉原とは無縁の場所がロケに使われています。
この作品、ドラマ化もされていますが、そちらはオール秋保原ロケというような感じの作品になっており、たくさんの人が秋葉原でロケ地巡りをしているのですが、映画はそれほど秋葉原でのロケは行われておらず、電気街と万世橋あたりが秋葉原を象徴する映像として映るのみとなっています。
以前は、gooと提携してロケ地マップが公開されていたのですが、すでに閉鎖されているため、あと一歩ロケ地の確認ができませんでしたが、八幡通りの並木橋前トンネルや巣鴨地蔵通り商店街などが使われていることからも、あまり秋葉原にこだわったロケは行われていないようです。
ロケ地巡りが演芸場巡り 『落語物語』 [映画ロケ地紹介]
オールアメリカの『ような』日本ロケ 『矢島美容室 THE MOVIE』 [映画ロケ地紹介]
監督 中島信也
脚本 遠藤察男
出演 矢島美容室 松田聖子 水谷豊 伊藤淳史 本木雅弘 宮沢りえ
フジテレビの『とんねるずのみなさんのおかげでした』から派生したユニット矢島美容室が、デビューする前に暮らしていたアメリカでのお話。 ということになっています。
カメオというか、ゲストというか、ともかくたくさんのタレントさんや俳優さんがチラリと出演しいるのがミソで、チビノリダーあり サントリー伊右衛門の夫婦ありで、最後には、矢島美容室総合プロデューサーの石田弘さんが挨拶するというオチまでついて、まさにバラエティーから派生した映画そのもの。
肝心のロケ地ですが、ともかくアメリカっぽくということで選ばれたロケ地は、矢島美容室がある街が千葉の『東京ドイツ村』。
イベントとドイツビールで有名なテーマパークですが、矢島美容室自体がドイツ村に建てられたかどうかはわかりません。
ストロベリー(石橋貴明)が通う学校は横浜薬科大学。
横浜薬科大にも球場はあるのですが、野球の試合のシーンで使っていたのは調布市民球場です。
そして、ミスコン会場は彩の国ビジュアルプラザではないかと思うのですが、こちらはCGでデコレーションされていたので自信がありません。
このように、矢島美容室の三人が思いっきり変身しているの同様に、ロケ地も着飾って日本ではないような雰囲気(?)にしてある映画ですから、ロケ地巡りというより、ロケ地探しに向いている映画なのかもしれませんね。